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美しき大海の主  ザトウクジラ

写真の模型についてはフェバリットコレクション

ザトウクジラとは?

外洋だけでなく沿岸部にもその雄姿を現し、広く親しまれているのがこのザトウクジラです。小さな魚やプランクトンを食べていますが、狩りのための様々な特技を持っているのもザトウクジラの大きな特徴です。中でも必殺の奥義はバブルネットフィーディング。数頭のザトウクジラで魚の群れを取り囲み、小さな泡を吐き出して作った泡の壁で魚を閉じこめた後、船すら飲み込んでしまいそうな巨大な口を大きく開いて、一気に水ごとすくい取ります。大きく膨らんだザトウクジラの喉はまるで巨大化したペリカンのようです。長く優雅な胸ビレ、悠然としたたたずまい、そして風格ある巨体から繰り出すダイナミックなジャンプは、まさにクジラ界のスーパースター。ザトウクジラは名実ともに、とてつもなくビッグなクジラなのです。

神秘の歌王ザトウクジラ

ザトウクジラは仲間同士で声による複雑なコミュニケーションをかわし、また、グループごとに流行の歌を歌うことでも知られています。歌うのはオスのザトウクジラで、彼らは持ち歌にいくつものフレーズを持ち、それを同じ順序で繰り返しながら数時間も歌い続けます。ときに一曲30分以上にもなるザトウクジラの歌は、ありとあらゆる動物の歌の中でも最も複雑なテクニックが組み合わされていて、ひとつひとつが高度な楽曲に仕上げられているそうです。そんなザトウクジラですが、実は彼らは声帯を持っていません。ザトウクジラがどうやって声を出しているのかは、いまだに神秘のベールに包まれているのです。

ザトウクジラの体のひみつ

ザトウクジラの特徴はやはりなんといっても、その大きな胸ビレです。ザトウクジラの胸ビレは実に5メートルにも達し、地球上の生物の中でもこれほど大きなオプションを持つものは他にいません。学名のメガプテラとは、巨大な(メガ)翼(プテラ)を意味します。大人のザトウクジラの体の大きさは約15メートル、生まれたばかりでも、時には体長4.5メートルを超えることもあるそうです。規格外なほどに大きな体を持つザトウクジラですが、驚くほどゆっくりと移動し、旅行中の彼らの移動速度は時速6キロ程度。また、旅行中は長期間の絶食に耐え、半年以上の旅行では体重が半分ほどになってしまう場合もあるようです。

海面近くを活発に泳ぎ回り、人目につきやすいことからも絶大な人気を誇るザトウクジラ。大きな翼で巨体を跳ね上げ、海上に躍り出るその様は、あたかも神話の世界の動物であるかのようです。この優しき大海の主は、きっとこれからも、人々のすぐ近くで、私たちと共にありつづけてくれることでしょう。(S.HONDA)

ザトウクジラのプロフィール

 データ  
 学名  Megaptera novaeangliae
 分類  クジラ目 ヒゲクジラ亜目 ナガスクジラ科
 全長  15メートル
 体重  30トン
 分布  世界中の海に分布