天体望遠鏡の種類と選び方

観察用品「天体望遠鏡」

遙かなる大宇宙を、ベランダから手軽に観察できるのが天体望遠鏡の大きな魅力です。気も遠くなるような数十億年もの歳月と、はかり知れない超巨大エネルギーが築きあげた、大スペクタクル。宇宙の彼方から数万年をかけて地球に辿り着いた星の光たち……。悠久なる天空へと導いてくれる天体望遠鏡をたずさえて、いざ、素晴らしき大宇宙の旅へ!

天体望遠鏡での観察に適した天体

宇宙には数多の数限りない天体がちりばめられています。そんな中から天体望遠鏡で観察するのに最適な天体をご紹介してみたいと思います。

地球に最も深い関わりを持つ、神秘の天体、月。地球のたったひとつの衛星です。口径の小さな安価な天体望遠鏡でも簡単に観察することができ、そして、そのあまりに美しい姿は、初めての天体観測としても、まさにうってつけです。月には満ち欠けがありますが、実は欠けている方がクレーターもはっきり見えて観察しやすいです。満月の時の月は天体望遠鏡で観察するには明るすぎるため、天体望遠鏡にムーングラスをつけて観察しましょう。ところで、月を観察する際にぜひ持っておきたいのが月面ウォッチング―エリア別ガイドマップです。書籍としてはやや高価ですが、天体望遠鏡のオプションの一つと考えて手元に置いておくと、月面観察をより深く楽しむことができるでしょう。月をメインに観察するのであれば価値ある一冊です。そして一番のオススメは何と言っても月球儀。やはり立体で再現されたものはイメージのしやすさが段違いなので、よりリアルな月の理解に役立ちます。更に月球儀は知的なオブジェとしても存在感バツグン。お部屋の品性が一段とグレードアップしますし、お招きしたお客さんが意外な一面にびっくりするかも?

惑星

惑星は月に次いで観察しやすい魅力的な天体です。そして肉眼では単なる点に過ぎない光が、天体望遠鏡で観察すると、その美しい姿を現してくれるのですから、まさに天体望遠鏡の威力が最も発揮される天体と言えます。太陽系の惑星には水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星(と、最近発見された新惑星2003UB313)がありますが、このうち、家庭用の天体望遠鏡で観察できるのは、水星、金星、火星、木星、土星の5つです。中でもオススメは木星で、やや地球から離れてはいますが、巨大な惑星なので普通の天体望遠鏡でも、その見事な縞模様と、大きな衛星が観察できます。もうひとつ、ぜひ観察したいのが土星で、そのあまりに素晴らしい輪は圧巻です。大きな惑星なので口径の小さな望遠鏡でも観察できますが、その不思議な輪を十分に楽しむためには、反射式などのクリアで口径の大きな天体望遠鏡が必要になってきます。

火星は地球からは近いのですが小さいため、赤っぽくぼんやり見えると言った感じです。水星と金星は一見、ただの光の玉のようで、パッと見はあまり面白くないですが、月のような満ち欠けが見どころです。地球の内側を回っているこの二つの惑星は早朝や夕方の観察になりますので、誤って太陽を観てしまわないよう、くれぐれもご注意を!天体望遠鏡を始めとした光学機器で太陽を観ることは、言うまでもなく極めて危険なことですので、特に小さなお子様が絶対に太陽を覗いたりしないよう常に徹底して気を付けましょう!惑星は星座のように一定の位置に見えるのではなく、黄道上を常に移動するため場所を突き止めるのが少々やっかいですが、惑星の現在位置を教えてくれるステラナビゲータのようなパソコンソフトもあります。

星団

星団は恒星(太陽のような巨大なエネルギーのカタマリの星)の集まりで、小さな花火のような、にぎやかさがあります。なかでもオススメはプレヤデス星団(すばる)です。その青い輝きの美しさといったら、たとえようもありません。個人的には最も好きな天体です。肉眼でも見えますが、天体望遠鏡があれば、さらにその素晴らしさを心ゆくまで堪能することができるでしょう。

星雲

星雲は大宇宙に浮かぶ、ぼんやりとした光を放つ不思議な模様に見えます。星雲は私たちの銀河系に漂う無数の様々な物質の光の集まりです。個性豊かで様々な色を持つ星雲は、望遠鏡で観察できる魅力的な天体のひとつです。

銀河

銀河は私たちの銀河系の外にある、数十億もの恒星の集まりです。渦巻きのように見えます。天体望遠鏡で観察できる最も遠い天体である銀河、決して行くことのできない、途方もない距離の彼方にあるこの天体も、口径の大きな望遠鏡があれば、その壮麗な姿を目の当たりにすることができます。

天体望遠鏡の種類と選び方

家庭用として手軽に入手できる天体望遠鏡には、大きく分けて屈折式望遠鏡と反射式望遠鏡があります。それぞれ構造がまったく違いますので、そのあたりをふまえた上で、好みの望遠鏡を選びましょう。いずれにしても口径の大きさが天体観測をする上で最も重要なポイントになります。倍率などは接眼レンズしだいでどうにでもなるのですから、決して倍率に惑わされることのないように……。

屈折式天体望遠鏡

フィールドスコープや双眼鏡などと同じく、対物レンズにより光を集める、最も一般的な天体望遠鏡がこの屈折式天体望遠鏡です。比較的安価で手軽なのが魅力です。ただ、値段の割に口径が小さく、また、口径の大きなものは極端に大きく重くなります。扱いが簡単で保管も容易なため、初めての天体観測や、月や木星、星団などを気軽に楽しむのに適した天体望遠鏡と言えるでしょう。

反射式天体望遠鏡

曲面を持った鏡によって光を集めるのが反射式天体望遠鏡です。レンズを使わないためニジミのない鮮明な像を得ることができ、屈折式に比べて大口径の天体望遠鏡を安価で手に入れられます。木星の縞模様や土星の輪、星雲の美しい姿を本格的に楽しむのに適した天体望遠鏡です。ただ、極めてデリケートな構造のため、取り扱いには注意を要します。

架台

望遠鏡を思い通りの位置に調整するのが架台です。架台には二つの種類があります。ひとつは経緯台で、上下左右に微調整できる構造になっています。安価で軽量、手軽に使える架台です。もうひとつは天体観測ならではの赤道儀です。手動式とモータードライブ搭載型があり、モータードライブ搭載型は星の動きに合わせて自動的にゆっくりと動いて星を追ってくれます。モータードライブ搭載型赤道儀は天体撮影を行う際には必要不可欠な道具と言えるでしょう。ただし、扱いには慣れが必要です。そして経緯台に比べるとけっこう重くなります。

備品

満月を観察する場合に使うムーングラスや、星座早見表など、便利な小物もいろいろとありますが、一度に全て揃えなくても必要に応じて少しづつ揃えていけば十分です。

目的に合わせた一台

天体望遠鏡は口径の大きい方が優れているのは確かです。ただ、大きなものを求めればキリがありません。選びに選んで高価な天体望遠鏡を購入しても、かえって大切にしすぎるあまり滅多に使わなくなってしまったというオチもありえることです。天体望遠鏡は使ってこそ価値のある道具なのですから、最初は性能ばかりでなく、目的を満たせるかどうかで選んだ方が良いと思うのです。例えば野外に持って行ったり、美しいプレヤデス星団や月、木星などを手軽に観察するのであれば、屈折式天体望遠鏡のものが取り扱いも簡単ですし性能的にも十分です。いずれは美しい天体写真を撮りたいと思っていたり、土星の輪や銀河などをより深く観察したい場合は、反射式天体望遠鏡のものを選ぶと良いでしょう。特にビクセン社の天体望遠鏡は入門機とは言え視界がクリアでレンズの信頼性も高く、オプションを追加することによって様々なシーンに柔軟に対応できる優れた機種です。天体写真を撮りたい場合はデジカメアダプター、DGリング、LVアイピースの三つのオプションを取り付ければデジカメと接続できますので、あとは架台をモータードライブ搭載型赤道儀にすればOKです。もうひとつ、とても便利なオプションに天体望遠鏡に取り付けるだけで月や星をパソコンの画面に映し出せるデジアイピースがあります。工夫次第で天体観測の楽しみの幅がいっそう広がるユニークなアイテムです。

番外編:大口径双眼鏡

大口径の大型双眼鏡は望遠鏡とはまた違った魅力があります。倍率こそ低いものの、その臨場感と迫力は一度体験するとやみつきです。天体をぼんやりと眺めて楽しむには、むしろ天体望遠鏡よりも大口径の双眼鏡の方が適しているかもしれません。選択肢のひとつとして大口径の双眼鏡も候補にあげてみてはいかがでしょうか。

天体望遠鏡がつなぐ宇宙

数多の星々が放つ数え切れないほどの輝き。生まれては消えゆく星々。果てることなく繰り広げられていく限りないドラマ。天体望遠鏡はまさに銀河鉄道の車窓です。さてさて、今宵は私もひと足お先に、宇宙への旅に出発することとしましょう。


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