ハイコウエラ

9.化石と進化

ハイコウエラの写真と解説

ハイコウエラ

学名  Haikouella lanceolata
分類  半索動物門または脊索動物門の二つの説がある。
年代  カンブリア紀
産地  中国雲南省  昆明

ハイコウエラ(海口虫)は澄江(チェンジャン)生物群の化石からのみ発見される不思議な動物で、私たちヒトを含む脊椎動物への進化のどこかに位置すると考えられています。

写真の化石はハイコウエラの胸部で、頭部には筒のような口が下向きに付き、体の後方にはオタマジャクシのような巨大なヒレがついていました。

カンブリア紀は「進化の大爆発」と言われるほど様々な生物が次々に登場してきた時代ですが、中でもやハイコウエラやユンナノズーン(雲南虫)、ミロクンミンギア(昆明魚)などは心臓や脳、エラ、そして、水中を自由に泳ぎ回るための発達した筋肉などをいち早く備え、小さいながらも当時の進化の最先端を駆け抜けていました。

なお、ハイコウエラにたいへん良く似た動物として、ひとまわりほど大きいユンナノズーンという動物が知られており、ハイコウエラをユンナノズーンの一種に分類する研究者もいます。