熱帯魚の飼い方をやさしく手ほどき

驚くほど簡単な熱帯魚の飼い方

熱帯魚の飼い方にもそれぞれの熱帯魚ごとにいくつかの飼い方がありますが、できるだけシンプルな熱帯魚飼育セットを選びさえすればごく簡単なセッティングで夢のような熱帯魚との暮らしを始めることができます。なんとも手抜き?な熱帯魚の飼い方ガイドではありますが、これが初めての方でもいきなりうまくいく、実はとても理にかなった熱帯魚の飼い方なのです。そういったわけで、ここでは初心者の方にも扱いやすい熱帯魚飼育セットの選び方を中心に、それぞれの管理のポイントを解説しながら、やさしい熱帯魚の飼い方をひも解いていきたいと思います。

流水タイプの熱帯魚飼育セット

もっとも広く普及し、古くから定番として親しまれているのが、この流水タイプの熱帯魚飼育セットです。フィルターの作り出す、ほどよい水の流れは水槽内のすみずみにまで十分な酸素ときれいな水を行き渡らせ、特に熱帯の清流に生息する熱帯魚にとって快適な環境を実現します。まずはこの手に入りやすい流水タイプの熱帯魚飼育セットを利用した熱帯魚の飼い方についてみていきましょう。

流水タイプで飼える種類

このタイプの飼育セットで飼うのに適している熱帯魚は、やはり水の流れや豊富な酸素を好む種類です。流水を好む熱帯魚のうち、初心者向きの丈夫な種類としては、まばゆいスカイブルーの輝きを放つネオンテトラや、はじめてでも生命が誕生する喜びを目の当たりにできるグッピー、底をちょこまかと動き回る様子が可愛さバツグンのコリドラスなどがいます。

エアーリフト式での熱帯魚の飼い方

安価な熱帯魚飼育セットのフィルター(ろ過器)としてよくセットになっているのが、このエアーリフト式のフィルターです。エアーポンプと呼ばれる器具から送り出された空気がチューブを通ってフィルターの下部に届けられ、空気が浮き上がる力を利用して水の流れを作り出す仕組みになっています。欠点としては、ボコボコいう空気の音、そして、エアーポンプから生じる振動がそれなりに気になります。このため、寝室などからはできるだけ離れたところに置いた方が良いでしょう。

それではさっそくエアーリフト式の熱帯魚飼育セットを使った熱帯魚の飼い方から見ていきましょう。まず最初の導入についてですが、水槽に器具類をセットしたら、お魚を入れずに数日の間、水を回しておきます。こうしておくと熱帯魚にとって有害な水道水に含まれるカルキ(消毒用の塩素)も勝手に消滅しますので、中和剤を入れる必要もありません。

準備が整ったらいよいよ熱帯魚を水槽に放つことになりますが、いきなり放り込むようなことは絶対に避け、水に30分ほど浮かせて水温を合わせます。その後、ゆっくりと水を混ぜ合わせながら、静かに水槽の中に放しましょう。丈夫な種類であればこれで問題なく飼育を始められるはずです。

お魚を入れたその日はエサはあげないようにします。翌日あたりから、お魚が元気に泳いでいるようであれば様子をみながら少量のエサをあげてみましょう。水をきれいにしてくれるバクテリアがフィルターの中に殖えるのにはしばらく時間がかかります。そのため、飼育を初めて一ヶ月くらいは、特にエサの与えすぎに注意し、決して残りエサがでないようにすることが大切です。常に少し足りないくらいの量にしておいた方が、お魚も健康に長生きしてくれるでしょう。これは熱帯魚の飼い方を理解する上での、もっとも大切なポイントのひとつです。なお、エサは水流にのまれても沈まないように、なるべく浮力の強い粒状のものが扱いやすいです。

モーター式での熱帯魚の飼い方

外部式フィルターや水中フィルターを利用した熱帯魚飼育セットもよくみられます。これらはエアーリフト式にくらべてかなり静かで振動も少ないのが嬉しい飼育セットです。とは言え、安価なクラスの飼育セットについているフィルターでは、やはり多少の音はしますので、設置場所はよく考えておいた方がよさそうです。

外部式フィルターは水槽内を広く使えるので、特に小型水槽には適しています。ただし、この手の熱帯魚飼育セットは、フタに隙間の空いたものが多く、よく跳ねる種類の熱帯魚をこうしたセットでそのまま飼うのは危険です。特にネオンテトラなどのカラシン科の熱帯魚はさかんに跳ねますので、隙間を何かでピッタリとふさぐなど、十分な注意が必要です。

水中フィルターの場合はモーターが水中にあると、夏場に異常なほど水温が上がることがあり、場合によっては一日にして全滅してしまう恐れもありますので、夏場は必ずクーラーの効いた部屋に置いておきましょう。

お魚の導入や日頃の管理についてはエアーリフト式での熱帯魚の飼い方に準じます。

止水タイプの熱帯魚飼育セット

水質の変化に弱い熱帯卵生メダカやワイルドベタは、古くから止水での飼育が主流でした。これは、フィルターに頼らず、エサを常に控えめに与え、水槽内の熱帯魚や水草、ろ過バクテリア、その全ての調和をコントロールすることで、ほとんど水替えをせずに、お魚にとって理想的な環境を造り出そうとする自然に近い熱帯魚の飼い方です。そして、フィルターを使わない止水タイプの熱帯魚飼育セットは、規模や性能の違いはあるものの、ほぼ、この原理によって成り立っているのです。今まではあまり一般的ではありませんでしたが、こうした飼い方はお魚のストレスを最小限に抑え、熱帯魚との良い関係を築く飼い方として支持されつつあります。音や震動が全くないのも、このタイプの魅力です。

止水タイプで飼える種類

ベタやグラミーといったアナバンティッドの仲間は泳ぎがあまりうまくなく、強い水の流れを苦手とするため止水での飼育が向いている熱帯魚と言えます。また、アナバンティッドはエラにラビリンス器官と呼ばれる空気を直接取り込める構造を持っていて、水中の酸素不足にはめっぽう強く、その事からも、この種の熱帯魚がいかに止水に適応した種類であるかを伺い知ることができます。その他、ラスボラやゼブラダニオなどの小型コイ科の熱帯魚も、止水流水を問わず飼いやすい熱帯魚たちです。

ミニ飼育ビンでの熱帯魚の飼い方

1リットルにも満たない小さな容器で飼える熱帯魚もいることはいます。ただ、水量が少ない分だけ水質が悪化しやすいため、水の管理には細心の注意を要するでしょう。特にエサだけは絶対に与えすぎないように徹底した注意が必要です。また、外気の影響を受けやすいため、気温の変化が少ない部屋に置いておく必要がありますし、急激な水質の変化を起こしやすいので水替えにも気が抜けません。こうしたことを考えると、ビンのような小さな容器で熱帯魚を飼うのはけっこう難しく、基本的には一時的なものと考えておいた方が良さそうです。

とは言え、ベタはたいてい小さなビンに入れて売られています。オス同士を一緒にすると激しいケンカをする性質もあり、ショップなどでは小さなスペースに一匹づつ隔離して陳列しておくためには、いたしかたないことかもしれません。ただ、やはりビンではかなり窮屈そうですし、小さな容器では突然死を起こすこともよくありますので、できるだけ早いうちに広い水槽へ移すことを計画された方が安心かと思います(ベタの引っ越し専用水槽もあります)。

アカヒレ(商品名コッピー)も小さなビンなどに入れて売られているのをよく見かけます。アカヒレは熱帯地方の魚ではありませんが、数ある観賞魚の中でも屈指の極めて丈夫な種類で、止水流水を問わず、また、室内であれば四季を通して常温での飼育が可能です。こうした性質から小さなビンに入れて売られていることが多く、また、適切な管理さえしてあげれば、このような環境でもずっと元気にしていてくれますが、本来はとても活発に泳ぐ魚なので、広い容器に移し替えてあげると、よりいっそう幸せそうに泳ぎ回ってくれるようになります。

小型水槽での熱帯魚の飼い方

手頃なサイズのガラス水槽と底砂、そしてオートヒーターを購入すれば、それだけで止水タイプの熱帯魚飼育環境ができあがります。弱光に強い丈夫な水草を多めに、そして熱帯魚は少なめに入れるのが成功の秘訣。セットしてすぐは、ろ過バクテリアも少なく、水草の浄化作用も弱いので、エサは週に2回くらい、それもほんの少量にとどめておきましょう。水が白くにごるのは水槽内の環境が不安定な証拠です。こうなったら慌てて水替えをしてもいっそう水を悪くしがちですので、自然の力を信じて水が澄むまでエサを与えずに静かに何日か待ちます。だんだん水槽内の環境が安定してくると、週にコップ数杯ほどの水を換えるだけでいつまでも元気にいてくれるようになります。どんな種類の水草や熱帯魚を、どのくらいの数だけ入れたらいいのかは、お魚つきの熱帯魚飼育セットが参考になるでしょう。







珍しい動物の図鑑 熱帯魚飼育セット

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