水に満たされた小宇宙~アクアリウムの楽しみ方

アクアリウムの管理

アクアリウムを管理する上でどのくらい手間がかかるかは、ひとえに日頃の飼育の行い方によるところが大きいです。的を得ない飼育では毎日のように水を換えても水はにごり、コケや汚れに悩まされ、熱帯魚はいつも怯えて人が来ると逃げ回るようになり、ついには病気まで発生してしまうこともあります。

でも上手に飼育すると週に一度、適量の水を換えるだけでも水は常に澄みわたり、コケもほとんど生えず、静かな環境に熱帯魚も落ち着いて本来の深みのある体色を取り戻し、美しい輝きを放ちながら、人を慕ってすり寄ってくるようになるのです。

熱帯魚の基本的な飼い方についてはそれぞれのアクアリウムについている管理の仕方や熱帯魚飼育の専門書などに詳しく説明されていますので、ここではこれだけは押さえておきたいという、熱帯魚飼育のコツをお伝えしていきます。

※わかりやすく解説するため、厳密には正確でない表現が含まれている場合があります。

エサについて

エサの扱いには熱帯魚飼育のコツが凝縮されています。ちょっと長いですが、とても大切なことですので、がんばって読んでみてくださいね。

さて、熱帯魚の飼育で最も重要なポイントはエサです。エサの種類や与え方が、アクアリウムの環境の全てを左右するからです。

エサが食べ残されたり、質の悪いエサが消化不良のまま熱帯魚の体外に排出されてしまった場合、やがて水中の酸素を消費しながら有害な毒素を発生させ、底砂の中など酸素がなくなりやすい場所では酸素の少ない環境を好む病原菌などの悪玉菌が増えてきてしまいます。

そして毒素を無害化してくれる底砂の中の善玉菌は酸素が足りずにどんどん減ってしまうのです。なんとかしようとして水を換えれば換えるほど、熱帯魚は怯え、人が近づくと逃げ回るようになり、また、水換えによる水質変化のストレスから色もすっかりあせてしまいます。

このようになってしまったアクアリウムでは、たとえ毎日水を換えても善玉菌が少ないためにいっこうに毒素は減らず、熱帯魚の体力も落ちてしまい、ますますエサを残したり、消化不良を起こしたりと、負の連鎖がずっと続いてしまう事になってしまうわけです。

こうならないためには質の良い人工飼料をやや少なめに与えることが重要です。十分に消化されて体外に排出された老廃物は、善玉菌によってすみやかに無害化されていくと同時に善玉菌の栄養となり、ますますその数を増やしていきます。

善玉菌によって無害化された毒素は水草に肥料として吸収され、元気な水草は光合成を行って熱帯魚の排出した二酸化炭素を酸素に換えてくれます。

水草の出した酸素によってアクアリウムの中にはますます酸素が増え、熱帯魚も善玉菌も更に元気になり、酸素の嫌いな悪玉菌は暮らしていくことができなくなります。水槽内の毒素が少ないのでコケもほとんど生えることができません。

水換えも少なくて済むので、熱帯魚も水質の変化によるストレスを感じることなく、より落ち着いて環境に馴染むと共に、健康な熱帯魚はその本来の輝きと陽気さを取り戻してくれるというわけです。

水温について

熱帯魚の飼育においては水温はとても重要な要素のひとつです。熱帯魚といっても30度をゆうに超える日本の夏は暑すぎます。夏場はできるだけ涼しくしてあげましょう。一般的な熱帯魚の適温はだいたい25度前後です。

また、水温は熱帯魚の寿命と深い関わりを持っています。27度以上の高めの温度で飼育すると病気にもかかりにくく、とても早く成長しますが、普通よりも小さいまま大人になってしまったり、急激に老衰してしまったりします。

逆に23度以下の低めの水温ではやや成長はゆっくりですが、比較的長く生きてくれます。ただし低水温では白点病などにかかりやすくなりますので、特に水替えなどで水温が下がったときなどは注意しましょう。種類によってはかなり低温に耐えてくれる熱帯魚もいますが、通常は18度以下になると危険です。

アクアリウムの中には特殊な形状や仕様のため、保温器具がついていないものもありますが、そうしたセットはたいていどこにでも置けるサイズですので、冬は常に暖房のきいている部屋に移動しましょう。部屋の暖房が切れてしまう場合、10リットルくらいの水槽でしたらオートヒーターで、オートヒーターが入らないほど小さな水槽はパネルヒーターで保温してあげます。

なお、ライトは点灯している時間が長すぎるとコケが生えやすくなります。また、短すぎると水草が十分な光合成をできなくなってしまいます。アクアリウムの仕様や置き場所などにもよりますが、私の経験では一日の点灯は8時間くらいにしておいた方が良いようです。

設置場所について

水は意外なほどの重量があります。ですからアクアリウムは必ず安定した丈夫な台の上に置く必要があります。また、直射日光が当たるところは避けましょう。あれよあれよと言う間にコケが大発生してしまいますし、水温が異常に上がってしまう事もあります。

ただし朝の木漏れ日が、ライトを消した暗い水槽にさしこみ、熱帯魚を浮かび上がらせた時の美しさは格別です。もしそうした場所に置くことができるのであれば一度おためしになってみることをオススメします。

青いベタの写真
熱帯魚は体調や光の加減によって見違えるように美しくなります。
(写真は青ベタ
  1. アクアリウムの手引き
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  3. リラックス空間に適したアクアリウム

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初心者救済!やさしくわかる熱帯魚飼育

120年の飼育経験から生まれた水槽


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