顕微鏡の種類と選び方

観察用品「顕微鏡」

ミクロの世界は実は意外に身近です。すぐそばにありながら、つい見過ごしてしまいがちな不思議な世界の招待状が、この顕微鏡なのです。このページでは個人が気軽に楽しめる顕微鏡について見ていきたいと思います。

顕微鏡での観察に適した素材

顕微鏡で何を観察しようか考えるのも楽しいことですが、観察対象としてのオススメには次のようなものがあります。

クマムシ

なんといっても一度は観察してみたいのが、このクマムシです。クマムシは緩歩動物(かんぽどうぶつ)門の動物たちで、世界中の、池、海岸、泥やコケの中など、湿気があって、餌となる植物のあるところにすんでいます。脱皮をしながら成長し、大人になっても1ミリほどの大きさですが、長命虫とも呼ばれ、乾燥状態においては実に百数十度から絶対零度近くまでをも耐え抜き、高圧、真空、放射線にも、とてつもない耐久性をもつ奇跡の生命体なのです。クマムシは実体顕微鏡でないとあまり良く見えないのですが、8本の足でノッシノッシと歩く姿は、なんとも非日常的な世界を垣間見せてくれます。

プランクトン

光学顕微鏡で観察するのに最も手軽なのがプランクトンの観察です。いかなる顕微鏡でも、その不思議な姿を楽しむことができます。池や沼、無農薬の田んぼ、そして海は、まさにプランクトンの宝庫。数々の美しい姿を目の当たりにすれば、きっとその魅力のトリコになってしまうことでしょう!

顕微鏡の種類と選び方

顕微鏡は大きく分けて光学顕微鏡と電子顕微鏡があり、それぞれにいくつもの種類があります。しかしながらその多くは大変に高額で扱いにも専門知識を要し、個人が気軽に観察するというのは現実的ではありません。そこでここではあくまで手軽に入手でき、簡単に扱える「楽しむための顕微鏡」を前提にご紹介していきます。

マイクロスコープ PC-600

パソコンにつなぐことのできる家庭用のマイクロスコープ PC-600は大変便利な顕微鏡です。顕微鏡は長時間、観察しているとやはりそれなりに目が疲れてきますが、パソコンの大きな画面で観られればとても楽に観察できます。しかもパソコンの画面でなら親子や友達同士でも同時に観られますから、感動の瞬間を共有するのにこれほど適した顕微鏡もありません。もちろん画像のキャプチャもできるので、お気に入りの瞬間を保存しておいて好きなときに何度でもその画像を観察することだってできます。ビクセン社の光学機器は古くから、安価ながらも極めて高品質で耐久性に優れた商品ばかりですから、純粋に顕微鏡の品質を考えても安心して使うことができるでしょう。初めて顕微鏡に触るという場合にも最適の、これからの定番とも言えるような顕微鏡です。

リーディビュー

この不思議な形の顕微鏡、リーディビューは、これまでの光学顕微鏡の概念を覆す、フィールドに持ち出すことのできる携帯顕微鏡とでも呼べる顕微鏡です。スライドグラスをマグネットで固定するなど、野外で使用するための数々の工夫がなされていますが、照明を横から当てることができるため実体顕微鏡としても利用でき、このため不透明な素材をも観察することが可能です。ただ、本体は電池込みで215グラムと軽量なのですが、惜しむらくはケースに入れると440グラムにもなってしまうということ。できればケースの重さの概念も覆して欲しかったところです。とはいえ、輸送に弱い微生物がいたとしても、池からすくってその場で観察できるというのはやはり大きく、一考の価値はある顕微鏡と言えます。本格的にフィールドに持ち出すための顕微鏡には有名なカートン社のアウトドア用生物顕微鏡がありますが、こちらは個人ユースというよりは、むしろグループなどによる研究用途に開発された極めて高額な顕微鏡なので、個人が気軽に楽しむにはいささか不向きかもしれません。

実体顕微鏡

不透明なものや厚みのあるものなど、通常の顕微鏡では満足に観察できない対象を観察できるのがこの実体顕微鏡です。クマムシや土中の微小な生物などの観察がメインであれば実体顕微鏡が適しています。この顕微鏡があれば、クマムシをまるでペットのような感覚で飼育することもできることでしょう。観察対象を選ばない、扱いやすくて優れた顕微鏡です。長いこと双眼の実体顕微鏡は高嶺の花でしたが、最近はかなり安価で購入できるようになりました。

番外編:MMスコープ

携帯に極めて便利な望遠鏡兼用型のMMスコープは小さいながらも汎用性のある実用的な顕微鏡です。顕微鏡として使用した場合は30倍という必要にして十分な倍率を持っていて、しかも実体顕微鏡ですから、クマムシをちょっと観てみるといった使い方もできます。このスコープで身近なものを片っ端から覗いてみると、そこにはなかなか新鮮な驚きが待っていることでしょう。とにかく気軽この上なく、ポケットからひょいと取り出してすぐ観察できるのですから、観察旅行のみならず、通勤通学の途中で面白いものを見つけたときにも、すぐに好奇心を満たすことができます。おまけに三脚を使わない時に最も実用的な倍率である8倍の望遠鏡としても使えるので、偶然出会った小鳥を観察したりといった自然観察にはもちろんのこと、日常生活の中においても、やってくるバスの行き先をいち早く確認したり、離れたところに展示してある展示物をズームアップしてみたりと、なかなか便利に活躍してくれます。口径が小さいので明るいところでしか使えないのが難と言えば難ですが、安価ですし、ひとつ持っていると毎日が楽しくなる隠れた名品です。

顕微鏡の中に広がる感動の世界

顕微鏡での観察は、デジカメと地上望遠鏡を組み合わせたデジスコに比べれば、はるかに安価でありながら、しかしその素晴らしさは決して引けをとるものではありません。小さな生き物たちの世界にも、数々の驚くべき感動的なドラマがあります。しかもそれは本当にごく身近にあるのです。たった一台の顕微鏡で、一枚の枯れ葉や、岩につくコケ、一滴の池の水、わずかな田んぼの泥、そんな中にも、不思議な形をした数多くの様々な生き物たちが暮らしていることに驚かれることと思います。ぜひ、この楽しさを存分に味わってみてくださいね。


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