水槽の魅力~夢がこぼれる宝箱

水槽の選び方と楽しみ方

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ネオンテトラの泳ぐ水槽
ネオンテトラの泳ぐ水槽

小さな水槽が映し出す夢の世界

水族館に並ぶたくさんの水槽の中には、世界中からやってきた色とりどりの熱帯魚たちが舞い泳ぎ、その美しい姿で私たちの心を癒してくれます。

たとえばネオンテトラ。デパートのペットコーナーにある水槽の中で、美しいその姿を見かけた方も多いのではないでしょうか。

ところがデパートの水槽で見られるネオンテトラの美しさは、彼らが秘めている魅力の、ほんのひとつに過ぎません。

寝起きのぼんやりした色、朝日に照らされた時の宝石のような輝き、そして、時に元気に競い合い、時に群れで助け合うその様子は、実際に水槽を置いてみてこそ体験できるものです。

水槽の魅力はそれだけではありません。なんといっても楽しいのは、水の中に暮らす生き物たちとのコミュニケーションです。

熱帯魚の中には淡水フグやポリプテルスのように、まるでペットように振る舞ってくれる種類もいます。また、水槽で飼える小さなカメとのコミュニケーションも本当に素晴らしいものです。

水槽に何を入れてどう楽しむかは、まさに自由。言うなれば水槽はまっ白なキャンバスのようでもあります。わずか数十分のセッティングで、その日から心ときめく毎日が始まるのです。

水槽の中に小さな地球を再現

水中の生き物たちと一緒に暮らすことができるのも水槽の魅力ですが、まだ他にも違った楽しみ方があります。それは水槽の中に自然の景観と仕組みを再現することです。

カメや観賞魚だけを飼育するのであれば、水槽の中には濾過器と保温器具さえあれば良いでしょう。砂も水草も要りません。

しかしながら、水槽に砂や水草、そして、流木や岩などを入れてレイアウトすると、そこにはたちまち心安らぐ水と緑の楽園が出来上がるのです。

また、生き物の数とエサの量を少なめにして、ゆったりとした水槽にすれば、限られた空間の中に自然のライフサイクルを再現することができ、それによって、水換えなどの手間がほとんどかからなくなります。

そればかりではありません。自然に近い安定した環境の中で生き物たちは、調子もグングン良くなり、ある朝とつぜん、水草の隙間から可愛い稚魚が顔を覗かせて驚かせてくれたり、見たこともないような美しい色彩を披露してくれることもあるのです。

こうした思いがけない出来事こそ、一度はまるとやみつきになってしまう、水槽の本当の魅力と言っても良いでしょう。

初めての水槽

たくさんの水槽に囲まれた生活をしていたとしても、新しい水槽を追加した時というのはやっぱりワクワクしてしまいますし、それが始めてであったなら、なおのことです。

ところで水槽を購入する前に、まずはどんな使い方をするのかを先に決めておかなくてはなりません。水槽は用途によって適した大きさや形、材質などが違うからです。

そこでまずは水槽の用途を決める上でのポイントとなる、水槽と生き物たちの関係について考えてみたいと思います。

例え今は小さくとも……。

生き物は種類によって、それぞれに大きさや性質が異なりますので、そうした中から水槽という環境に適応しやすい生き物を選ぶことが大切です。

例えばミドリガメなどは凄い勢いでみるみる成長し、数年後には人が入れるくらいの水槽が必要な大きさになります。

仮に大きく成長したミドリガメを小さな水槽で無理に飼い続けようとすれば、その長く鋭い爪で水槽をひっかきまわし、絶えず「ギギギ……」という耳障りな音が辺りに響き渡ることになるでしょう。

カメはとても根気強い生き物なので、昼でも真夜中でもひっきりなしに水槽をひっかき続けます。そして、それが何ヶ月も続くとなれば、たいていの人は耐えきれなくなってしまうのではないでしょうか。

その行く末が、池などへの不法投棄となってしまうわけですが、カメは定期的に捕獲され「処分」されてしまいます。(それでも次々と投棄されるのでいっこうに減ったようには見えないのですが。)これは飼い主にとってもカメにとっても最も悲しい結末です。

これはカメの話だけではありません。ペットショップには、いずれ持て余してしまうと思われるような生き物も意外に多く販売されています。例えどんなに可愛かったとしても、その生き物が成体になったとき、危険な生物にならないか、大きくなりすぎないか、エサ代や光熱費、そして、音や匂いに悩まされるようなことにならないか、といったことについても、よく調べてから計画的に購入すべきと思います。

水槽でも飼いやすい生き物たち

わざわざ手に負えなくなってしまうような生き物に手を出さなくても、飼い主と生き物がお互いに楽しく暮らせる種類がたくさんいます。飼い主を信じて慕ってくれる生き物たちを悲しい目に遭わせないためには、成長しても頭を悩ませる必要のない種類を選ぶことがポイントです。

それではいよいよとっておきの生き物たちをご紹介したいと思います。どれもたいへん魅力的な生き物たちばかりです。


ベタ

ゴージャスな青いビロードのような美しさを持つ熱帯魚です。闘魚と呼ばれるほどのケンカ好きなので、オスはひとつの水槽に一匹しか飼えませんが、ベタが一匹いるだけで見栄えする水槽になります。意外にも他の熱帯魚とは協調性が良いことが多いです。

ネオンテトラ

青い稲妻とも呼べるような極めて美しい熱帯魚です。状態が良いと赤い部分がはっきりとして華やかさが加わり、時を忘れて見入ってしまうほど魅力的になります。小さな水槽でも飼いやすく、しかもこの美しさ、熱帯魚の素晴らしさを体験するにはまさに理想的な種類です。

アカヒレ

メダカ感覚で飼育できる寒さに強い観賞魚で、しかもメダカよりはるかに丈夫なため、小さな水槽でも、たいへん飼いやすい種類です。幼魚の時はネオンテトラのような輝きを持ち、成長するにつれ、この輝きこそ色あせてしまいますが、味わい深いサテングリーンを発色するようになります。

ニオイガメ

もっとも小さく飼いやすいカメの仲間です。成長しても15センチほどなので、ずっと水槽で飼い続けることができます。小さいながらも実に知性的に振る舞い、しかも愛嬌たっぷりに甘えてきますので、飼育してみるとすぐにその魅力のとりこになってしまうことでしょう。見た目からは想像もつかないほどの大食漢なので、濾過器もしっかりとしたものが必要です。

ザリガニ

小型のザリガニも水槽で飼育しやすい生き物です。メカニカルで複雑な動きがユーモラスで見ていて飽きません。意外にも記憶力がよく、エサと結びつくことはすぐに覚えます。二本のはさみを上に振りかざしてエサをねだってくる様子はたいへん愛らしいものです。

マガキガイ

とてつもなく奇妙な姿をしたこの生き物は、まるで地球外の生物をほうふつとさせますが、実はとても穏やかで優しい性格をしています。海水魚ショップでは底に落ちた残りエサの掃除屋として販売されていますが、水槽にマガキガイだけを入れて飼育してみると、この小さな貝が、いかに魅力的な動物かがおわかりいただけることでしょう。


熱帯魚を飼うのが初めて!という方のために、熱帯魚飼育をやさしく解説したページがあります!

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