カメ飼育がよくわかる!

カメ飼育の基本

カメの飼育はとても一般的ながらも、実はカメがとてもデリケートな動物であるということは意外に知られていないような気がします。ここではそんなカメの特性に合わせた飼い方の基本を初心者の方にもわかりやすいようにご紹介しながら、カメとの幸せな暮らしについて考えていきたいと思います。

カブトニオイガメ
真はカブトニオイガメ

カメ飼育のスタート

カメ飼育においてまず注意しなくてはならないのは、活動環境、エサの種類、日光浴など、カメの種類はもとより、同じ種類であっても一頭ごとに少しずつ好みも違っている場合があるということです。そうしたことから「カメだから、みんな同じ飼い方」というわけにもいきません。ですので最初はそれぞれのカメにぴったりの飼育方法を見つけてあげることから始まります。ここでご紹介しているカメ飼育の基本をもとに、それぞれの好みに合わせて、陸地をつけたり取ったり、水深を浅くしたり深くしたりという具合に調整してみてください。快適に調整された飼育容器の中で楽しそうに動き回るカメの様子は、見ているだけで幸せな気持ちになります。とにかくまずは一頭だけを、深い愛情を持って大切に飼育してあげることこそ、カメの飼育を心から楽しむための重要なポイントと言えるでしょう。

なお、カメの飼い方は「水生ガメ」と「陸ガメ」に大きく分けられますが、ここでは最も馴染みのある水生ガメの飼育方法について取り上げてみたいと思います。

カメの飼育に必要な器具類

カメ飼育に最低限必要なのはやはり水槽です。多くのカメは実はとてもよく動く動物ですので、水槽はできるだけカメが自由に動き回れるように十分な広さのあるものを準備してあげます。水槽の種類については、カメが陸地から転落して水槽の壁にぶつかっても安心なように、軽くて丈夫なプラスチック製かアクリル製の水槽が良いでしょう。また、カメは意外に力のある動物で、しかも冒険心が強いため、カメが立ち上がった時に水槽のフチに手が届くと水槽から出てきて、どこかに行ってしまいます。ですのでカメの飼育にはしっかりとフタのできるプラケースを用いるか、アクリル水槽であればカメが立ち上がっても手の届かない深さのものを選びましょう。専門家はカメの飼育容器として衣装ケースもよく使います。

底砂はカメが水底を歩く時の足掛かりとして役立ちますが、ゴミがたまりやすく掃除も面倒になるため、底砂は敷かない方が管理は楽です。その場合、カメの足場になるような流木などを沈めて、カメが水の中を歩きやすいようにしてあげましょう。

次にヒーターとサーモスタットです。熱帯地方に棲むカメの場合には、水温を温めるヒーターと水温を調節するサーモスタットが必要となります。一本でこの二つの機能を併せ持ったオートヒーターなら、設定も不要で水槽に入れておくだけで使用でき、手軽でおすすめです。北米産のカメなど、ヒーターを必要としないカメもたくさんいますが、いずれにせよ子ガメのうちは冬でも暖かくしてあげたほうが安全です。なお、ヒーターには必ずヒーターカバーをつけてあげてください。

フィルター(ろ過器)ですが、カメはとても水を汚す動物なので、通常のフィルターでは処理が追いつかず、水がすぐに汚れてしまいます。たとえ水が透明であっても、有害物質はどんどん増えていきますので、フィルターに頼ることなく、できるだけこまめに水を換えてあげるべきでしょう。ただし、小さなカメを広めの水槽に入れて、高性能のフィルターを設置し、ゼオライトや竹炭などの強力な補助濾材を入るような飼い方であれば、頻繁に水替えをしなくても、しばらくは安全な水質を保つことができます。

陸地は水生ガメの多くが必要とするものです。カメは一部の種類を除いてとても日光浴が好きな動物なので、カメが安心してくつろげるよう、カメが乗っても大丈夫なしっかりと安定感のある陸地を用意してあげます。軽量な人工石や、流木を利用すると良いでしょう。

日光浴の好きなカメにとって紫外線は欠かせないものです。爬虫類用に紫外線を照射する電球が売られていますので、陸地に向けて設置します。ところで、この電球から照射される光はヒトの目によくありませんので、直接見るのは避けましょう。気になる方は紫外線100%カットのサングラスなどがあれば安心です。

飼育の準備

それでは実際にカメを飼育する手順を追ってみたいと思います。飼育を始める前に、まずはイメージしてみましょう。

1.水槽や器具を水で洗います。石けんや洗剤は絶対に使わないようにしましょう。

2.水槽や器具類を洗ったら、水槽にオートヒーターとフィルターをセットします。まだコンセントやスイッチ類は絶対に入れないようにしてください。流木など、足場や陸地となるものをセットしてあげます。

3.次に水槽に水道水を入れます。深さは甲羅の高さの2倍くらいで良いでしょう。特に水生傾向の強いニオイガメの仲間などは、更に深くても大丈夫です。

4.最後にオートヒーターとフィルターをコンセントに差し込めば準備完了です。

エサの与え方

ただでさえ水を汚す大食漢のカメたちなので、できるだけ水を汚さない質の良い人工飼料を選びましょう。人工飼料は消化が良く栄養のバランスに優れていますので、カメの健康のためには極めて重要な選択と言えます。与え方ですが、とにかく大食漢なので、どのくらいの量を食べるのかをしっかりと把握する必要があります。残りエサだけは必ずスグに取り出さなくてはなりませんが、カメが十分な量のエサを食べられるように量を加減してあげましょう。また、カメはエサを食べるのが下手です。特に子ガメはちょっとでもエサが大きいと、ひとつ食べるのにも四苦八苦してしまいますので、エサの大きさも大切なポイントのひとつです。

水の換え方

まずカメを取り出して、手頃な容器の中に避難してもらいます。とてもよく脱走しますので、フタのしっかりとした容器や、深さのあるバケツなどに入れておきます。ヒーターとフィルターのコンセントを外し、ヒーターとフィルター、陸地を取り出し、水はぜんぶ捨てます。あとの手順は前述の「飼育の準備」のとおりです。

【注意点】
水温の急激な変化はカメにとってとてもショックが大きいので、冷たい水の中にいきなり入れたりすることは絶対にやめましょう。また、カメはたいへん衝撃に弱い動物です。特に陸地に置くときは、くれぐれもソッと、静かに置いてあげて下さい。

ところで、カメの飼育水には雑菌が多いため、洗面台などには捨てないようにしましょう。水替えのあとなど、カメや飼育水などに触った後は、しっかりと石鹸で手を洗うことも忘れずに。

日光浴について

カメと日光浴は切っても切れない関係で、太陽の光に含まれる紫外線がカメの体内に作用して健康と成長を助けます。どのくらい紫外線が必要かはカメの種類によって差があり、中にはニオイガメのようにほとんど紫外線を浴びなくても元気に育つカメもいますが、ほとんどのカメが紫外線の力なくして健康を維持することはできません。ですので、カメを飼育する場合には、まず日光浴というハードルをクリアする必要があります。

日光浴のさせ方ですが、もし子ガメや小さい種類であれば、紫外線を発生させる電球を陸地に向けて照射してあげれば良いでしょう。大きなカメであれば外で日光浴をさせてあげます。ちなみにカメは変温動物ですので、陽に当てすぎると体温が異常に高くなり、危険な状態になることもありますので、くれぐれも注意してあげましょう。いずれにしても、カメが好きな時に日光浴ができて、好きな時に日陰に隠れられるようにしてあげることが大切です。なお、日光浴の時は最も脱走事故が起きやすいのでご注意を。

カメの選び方

このコーナーではカメの種類選びが楽しく進められるヒントを中心にお伝えしていきたいと思います。どんなカメを飼おうかとあれこれ考えるのは、ビギナーでもベテランでも、最もワクワクする大きな楽しみのひとつです。カメの専門誌などを眺めながら、お目当てのカメを探すのは、まさに至福のひとときに他なりません。とはいえ、テキトーに選んでしまったりすると、あとで飼いきれないほど大きくなってしまったり、ご町内を巻き込んだ大騒動が発生してしまうキケンもあります。そんなわけで、ここでは初心者の方にも安心なカメ選びのヒントを紐解いてみたいと思います。

初心者向きのカメ

■ミシシッピーニオイガメ
大人になっても10センチほどの、とても小さくて丈夫な種類です。初めてカメを飼われる方には特におすすめ!ニオイガメの仲間はみんな小型で丈夫ですが、やや気が強いのが難点。でもミシシッピーニオイガメはかなり温和です。水の中にいるのが大好きで、中にはほとんど陸に上がらないカメもいます。人工飼料も喜んで食べてくれますし、寒さにも比較的つよく、また、他のカメと違って紫外線を照射しなくてもスクスクと元気に育ってくれるという、とても飼いやすいカメです。

■カブトニオイガメ
ミシシッピーニオイガメよりは少し大きくなりますが、それでも10センチちょっとの小さなカメです。丈夫で、いつも元気に動き回っているカメです。盛り上がった甲羅がチャームポイント。ちょっと気が強いので、かまれないように気をつけましょう。大人になっても小さいので、掃除の時は手でつかまず、熱帯魚用のアミでサッとすくって取り出すと良いです。なお、カメ同士の協調性が悪いので、基本的には一頭だけで飼育します。水生のカメなので泳ぎはしますが、力まかせという感じでミドリガメのような細かいコントロールが効きません。そのため、浮くエサを与える場合には水深は深くしない方が良いでしょう。

■アフリカヌマヨコクビガメ
とにかくニッコリしたような顔つきが何ともユーモラスな癒し系のカメです。陽気な性格で活発によく動き回ります。ヨコクビガメの仲間は白亜紀前期のアフリカに出現した原始的なカメで、首が引っ込まず、首を横に寝かせて甲羅に収納します。日光浴のできる環境さえ用意してあげることができれば丈夫で飼いやすい種類です。

■クサガメ
とても丈夫でおとなしいカメです。ゼニガメとして売られているのは、ほとんどがクサガメの子供です。日光浴が大好きなので、毎日の日光浴が欠かせません。ミドリガメほどではありませんが、けっこう大きくなるカメですので、池で飼った方が良いカメです。

■ミドリガメ
手に入りやすさでは一番です。ただ、ミドリガメが本当に初心者向きかどうかは、いまひとつ微妙なところではあります。丈夫ではあるのですが、意外なほど大きくなるため、大きな水槽か池でもないと結局は飼いきれなくなってしまうかもしれません。強大な力を持つミドリガメは、野生に放たれると日本の生態系に取り返しのつかない被害をもたらしてしまいます。日光浴の時など、うっかり逃げ出してしまわないように、十分な注意を心がけたいものです。

初心者に不向きなカメ

■汽水に住むカメ
飼い始めは薄い海水が必要です。
・ダイヤモンドバックテラピンなど。

■偏食家
人工飼料に慣れにくいカメは餌を維持するのが大変です。
・マタマタ、ニシクイガメなど。

■暑さに弱いカメ
夏場にクーラーは欠かせません。
・オオアタマガメなど。

飼育に不向きなカメ

■極端に大きくなるカメ
まずは水族館で大きく成長した姿を確認してみることをおすすめします。
・スッポンモドキ、大型スッポンなど。

■国際保護動物
証明書がないと、見つかった時に、たいへんな目に遭うかもしれません。
・ウミガメ、ビルマメダカガメなど。

■アゴの力が強力で噛まれるとタイヘン危険なカメ
お取り扱いの際にはミスリルの小手をご用意下さい……。
・カミツキガメ、ワニガメ、大型スッポンなど。

お気に入りのカメが決まったら

いよいよカメとの楽しい暮らしが始まります!水槽や器具類の準備は万全ですか?足りないものはありませんか?用意が整ったら、さっそく、お目当てのカメさんがいるペットショップを探しましょう!

カメの選び方

お店でお気に入りのカメを見つけても、入荷したばかりのカメは避けた方が良いでしょう。目がパッチリしていて、皮膚が美しく、甲羅にコケなどが生えていないかなどをチェックします。そして中でも元気に動き回っているカメを選びましょう。特に子ガメはいったん調子を崩すと持ち直すのが難しいので最初が肝心です。また、色や模様、体型なども、良く見ると一頭ずつ違います。長い付き合いになる大切なパートナーなのですから、いちばん相性の良いカメを探してみてくださいね。

【補足情報】
ミシシッピーニオイガメ、カブトニオイガメのように、小型で紫外線の依存がほとんどなく、しかも低温にも強いカメなら、このセットがおすすめです。
カメの飼育セット

ミシシッピーニオイガメ、カブトニオイガメの飼い方については、ずば抜けた飼育書です。著者の方の、しっかりとした体験に裏付けされて書かれた正確で実用的な一冊です。
ニオイガメ、ドロガメの医・食・住

クサガメやミドリガメ、アフリカヌマヨコクビガメの飼い方なら、この本がおすすめです。世界のカメがカラー写真で載っていますので、カメ選びにも最適。
ミズガメ大百科


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