澄江生物化石群の分類について
澄江生物化石群の分類
澄江生物化石群は数多くの多様な生き物の姿を伝えてくれますが、澄江生物化石群からしか見られない極めて特異な動物も多く、今なお新種の発見も相次ぎ、そうしたことから、わずか数年の間にも、分類の異動や統合、新設などが、頻繁に行われています。
ところで生物の分類というのは、種類ごとに近い仲間同士をグループで分けたものです。
では、どの動物同士が近いかを何で調べるかというと、かつては動物解剖学の分野として骨格などの特徴により調べられていましたが、近年は分子生物学の分野としてDNAの類似度により調べられています。
これにより、形は似ていても実は他人のそら似だったという動物が見つかりはじめ、分類はいろいろと新しく見直されるようになってきました。
私たち人を含む脊椎動物も、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類の5つに分けられていましたが、近年、鳥類は爬虫類の一種であるという分類を時々、見かけるようになりました。それによると爬虫類はカメ、トカゲやヘビ、ワニや鳥、の三つに分けられるのだそうです。
さて、絶滅生物の分類が難しいのは、その手段が化石で残っている見た目からでしか判断できないという点にあります。
澄江生物化石群の化石にもDNAは残されていません。このため、他人のそら似だったとしても、それを見分けるのはたいへん難しいことです。DNAという決定的な証拠がない以上、見た目の特徴で種を分けても、その証明には限界があります。
その上、いくら澄江生物化石群の保存状態が良いとは言え、5億年以上も前の生き物です。柔らかい部分はどうしても劣化してしまいます。そのため、化石に残された突起ひとつとっても、人によって、それが眼に見えたり、そうでなかったりします。
こうしたこともあり、分類は研究者によって見解にかなりの違いがあるため、ここではできるだけ一般的な分類を用いるようにしました。なお、分類は属名のみ記載してあります。