珍しい生き物の資料室

5.個性的な生き物

びっくり動物写真とミニコラム

世界中の個性的な生き物たちを写真と文章でご紹介する珍しい動物と植物の資料室です。謎と不思議に満ちた生き物たちを、愛情いっぱいで撮った写真と共に紹介しています。

ミステリークレイフィッシュ
 ミステリークレイフィッシュ

クレイフィッシュというのはザリガニのことですが、
なんと一匹だけで繁殖するという奇妙なザリガニです。
腹部に卵を抱えている写真の個体も一匹のみで産卵しました。
このように1頭の配偶子だけで繁殖を行う事を単為生殖と呼びます。
単為生殖を行う生き物は他にも、リビュルスの1種(魚類)、
アミメアリ(昆虫類)、ブラーミニメクラヘビ(爬虫類)、
ブルースポットサラマンダー(両生類)などがいます。
ブルースポットサラマンダーの場合は生まれた子供はクローンではなく、
発生の過程で遺伝子が交差し、新たなDNAを持つ個体となるそうです。

アプロキラス・ブロッキー
 アプロキラス・ブロッキー

発見者のブロック船長にちなんでブロッキーと名付けられたそうです。
4センチ程の小さな熱帯卵生メダカの一種で、様々な色にキラキラと輝きます。
アプロキラスの仲間は熱帯アジアに生息し、このブロッキーのように
水面に光が反射するような輝き方をする種が多いです。
水面近くにいることの多い魚達なので、鳥などの天敵に見つかりにくいように、
こうした体色になったのかもしれませんね。
また、頭が平らで体の割に大きな眼と口を持っているのが特徴です。
ちなみに日本のメダカ(オリジアス)は熱帯卵生メダカ(キプリノドン)の
仲間から外されて、トウゴロイワシの仲間になってしまいました。
ニジイロクワガタ
 ニジイロクワガタ

メタリックのグラデーションに輝く美しいクワガタムシです。
1属1種で、オーストラリアとニューギニアに生息しています。
不思議なことに強い光を当てると
せっかくの美しい体色が茶色く見えてしまう為、
カメラで撮影するときはフラッシュをたかずに自然光で撮ります。

ポリプテルス・エンドリケリー
 ポリプテルス・エンドリケリー

たくさんの小さな背びれが旗の様に並び、胸びれには腕のような柄、
鼻先には二つの突起、平らな頭と大きな口、ひし形のガッシリしたウロコ…。
世にも奇妙なこの魚の体の構造は、まるで古代魚の見本のようです。
体内には肺魚のような肺も持っていて、空気呼吸も行います。
魚類は進化が進んでいる種ほど、
腹びれが体の前の方に移動してくると言われていますが、
この魚も他の古代魚と同じく腹びれは体のはるか後方に位置しています。
ちなみに最強の発電生物へと進化したデンキウナギは、
頭部のすぐ後ろに腹びれがあり、その後ろの長い部分は全て発電器官です。

ネペンテス・カンパニュラータ
 ネペンテス・カンパニュラータ

口の大きな変わった形のウツボカズラです。成長はゆっくりしています。
自生地が大きな山火事に遭って絶滅してしまい、
新たな生息地が発見されるまで幻のウツボカズラと言われていました。
自然界で絶滅してしまった種の中には、
愛好家によって大切に飼育栽培されていたおかげで生き残った種もあります。
自然と共に、地球の生み出した命を未来に繋げていきたいものです。

淡水コシオリエビ
 淡水コシオリエビ

ヤシガニを小さくしたようなガッシリした体つきをしていますが、
500円玉くらいの大きさです。
甲殻綱十脚目はエビ、カニ、ヤドカリの仲間に分けられますが、
コシオリエビはヤドカリの仲間です。学名からガラテアと呼ばれることもあります。
ガラテアはギリシャ神話でキプロスの王ピグマリオンが作り、
女神アフロディテによって命を吹き込まれ妃となった象牙の彫像の名です。
コシオリエビの学名はこのガラテアにちなんでつけられた
…かどうかは知りません。

ツチノコロリカリア
 ツチノコロリカリア

口が吸盤になっている「サッカーキャット」と呼ばれるナマズの仲間です。
大きな胸びれと腹びれを手足のように交互に動かしながら水底を歩き回ります。
小さな眼についてる黒目はUの字型で、時々まばたきをします。
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